金曜×松山分水×溝

今日の愛媛県内のニュースで松山分水について、松山分水署名活動で市民の会設立へという報道があった。
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20100120/news20100120762.html

簡単に松山分水というキーワードを説明すると、西条市の黒瀬ダムの水源から分水して松山市に水を引くことを意味する。
松山市といえば、夏になると水不足が常に話題にあがる地区であるイメージがある。ダムの貯水率が何%だという報道がされたりなど。その水不足問題を、水が豊富と思われる西条市の黒瀬ダムから水が引ければ水不足が解決されるのでは・・・ということだ。

と、簡単に説明はできるのだが、実際はそんなに簡単な話ではない。上記文であえて「イメージがある」とか「水が豊富と思われる」と憶測を含めた文章にしているのは、つまりはその通りで確たる基準のある話ではないのだ。
たとえば、「松山市は水不足」とはいえど、毎年なんとかなっているのは間違いない。去年は雨が多い夏でもあったので、さほど水不足と騒がれなかった。
逆に、水都市西条といわれる西条市だが、近年は地盤の高さが下がっていることがわかり、水不足問題が懸念されているのも事実である。
つまり、「水がたくさんある西条市から水不足の松山市に水を分けてもらおう!」なんていう単純な話ではないのだ。(もちろん、このことは市民は充分に解っていることだけど)。さらに、政治的にも西条市側は松山分水に加担する気はゼロといってもいい状況だ。
私の知っているところでいえば、松山分水の発想は最初から松山市側で勝手に考えて勝手にやろう!と言い出した経緯があること。西条市側はまさかの置いてけぼりの案件だった。それは怒るわなw
そして追い打ちをかけるようだが、西条市はアンチ加戸県政といってもいい地域でもある。(隠す必要もないと思うので言ってしまうが、西条のお隣の新居浜市(私の在住市)もアンチの節がある。)今までの積年の恨み・・・とまでは言わないにしても、県政や松山市政になど加担してあげる恩義理など微塵も感じていない。市民感情も同様だ。単純に起こる発想もあるだろう。
今ここで分水工事という産業が発生すれば、加戸県政・松山市政がおいしいところを総取りして、西条市はまったくうまくないのではないかと。この想像は被害妄想とかいうレベルではなく、過去にこういうこが1度2度と経験済みらしいですからね。
それともうひとつ。私の知る話では、西条市内では「松山分水に賛成する人」は非難されるような状況も生まれつつある。おそらく、最初の西条市を置いてけぼりに松山分水というテーマを打ち上げてから時間を明け過ぎたではないだろうかと思う。その結果、西条市民の不信感が時間をかけてドンドンと増してしまったと。今では、今後の市長・市議会議員選挙で「松山分水を反対する意思をはっきりしなければ選挙で勝てないのではないか?」とまで言われるくらいだ。


と、私の知る松山分水問題とはこういう感じ。
ここで、私的解釈だが、きっと困っている人がいるだろう状況で大変申し訳ないが、どこに打開策があるのかまったく想像できないような話に見えている。今ここで松山分水署名活動をしたとして、松山の行政に対してはプレッシャーになりうるだろうが、西条市側には何の影響も無い話だ。逆に、感情的には憤る人すらいるかもしれない。この話がこれからどうなるか、単純に水不足問題という面以外でも気になる話題になりそうだ。